香港「まだデモは続いています!」Yahooニュースなどで「逃亡犯条例」改正案が廃案という記事が拡散され、多くの人が誤解し「誤報」だと物議!
中国本土への容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り、改正に反対する香港市民と、鎮圧しようとする公安警察の間で混乱が広がっている香港。
2019年6月21日22時過ぎ、「共同通信」が香港政府が廃案受け入れを表明したというニュースを日本国内向けに配信、Yahooニュースにも掲載されると大きく拡散され、Twitterのトレンドは香港の話題で埋め尽くされました。
・元記事→香港政府、廃案受け入れを表明【共同通信 / Yahooニュース】
この記事を見た日本人からは「おめでとう!」「政治は変えられる!民主主義はこれだ!」など喜びのコメントが多く寄せられ、記事は拡散されていきました。
しかし、徐々に雲行きが怪しくなっていきます。この記事を見た香港人や香港に住む日本人から「そんなニュースは知らない」とコメントがTwitterに投稿され始めたのです。
この記事はどういうことって知らないが、香港には本当にそんなニュース全くないよ!!!政府は何も言っていないよ!!!(地元の香港人ですhttps://t.co/IPnpCcn1fI
— 文香港加油 (@AyaQ39) 2019年6月21日
これは誤報です!!まだ廃案してません!香港現地そのニュースありません!まだデモは続いています!
— AKA+ (@rakuka) 2019年6月21日
AFPやBBCなど海外で全く報道されていないんだけど誤報では…?
香港政府、廃案受け入れを表明(共同通信) – Y!ニュース https://t.co/NwMV1qNA2k #Yahooニュースアプリ
— Sukuna (@SukunaBikona7) 2019年6月21日
廃案受け入れのタイトルは間違いで、まず香港政府の声明は抗議行動によって様々な業務に支障が出ていてその中でも逃亡犯条例の改正作業は完全に停止したって述べてるね。そして来年7月に法案が自動的に失効するんだけど、政府はその事実を受け入れるって言っただけなのでどうなるかは分からない
— ryu. (@moon_nightnight) 2019年6月21日
来年の夏に現在の立法会議員の任期が切れます。その時までに、可決されなければ自動的に草案が失効になります。
でも、まだ廃案にはなっていません。
一年もの間に何が起こるかわからないです。誤解してしまうような報道はやめていただきたいです。
https://t.co/jt68GRWVFN— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) 2019年6月21日
現地メディアを確認したのですが廃案ということは確認できないです。政府発表は「来年7月に会期が終わったら自動的に失効するからデモはやめて」というような内容のもののはずです。「廃案か延期か」を争う中で「廃案受け入れ」は誤報ではないでしょうか。
— チャイシー(重箱の隅) (@ChicyKwok) 2019年6月21日
— ®️ (@sophia__bloom) 2019年6月21日
こちらは香港人です。
廃案=再開可能、ただの先延ばし
撤回=完全廃止、再開不可能
未だに政府から撤回すると明言されてません
まだ勝利ではありません。— マイキ (@maiki_king) 2019年6月21日
共同通信の記事は現地の状況をよく分かっていない日本人にとって、あたかも法案が「完全撤回」されたと誤解してしまうものだったのです。
・法案の改正作業は一時停止で、再開しようと思えばできる。
・2020年7月に法案が自動的に失効するので、もしそうなったら政府はその事実(法案失効)を受け入れる。
というのが香港政府が発表した原文の内容です。
https://t.co/9MOnWXdd2s
世界は目を離してはいけないですね。— やかもこ (@cherrypeach619) 2019年6月21日
多くの人が勘違いしてしまった今回の報道。共同通信、または記者に中国政府に対する忖度があったのではと考えられてしまっても無理がありません。
怖いのは、共同通信の記事によって私たちが香港への興味を無くしてしまうことではないでしょうか。
6月24日には、中国はG20で香港のデモを「議論することは許さない」と牽制。「逃亡犯条例は必要」だと強調しています。中国のこの反応を見ると、まだ何も解決していないことがよく分かります。